渡邊弘・活水女子大学准教授の国会前リレートークでのお話

憲法学者有志が7月3日午後3時から6時まで「安保関連法案に反対する憲法学者リレートーク」を国会前で行うことについては、すでにお知らせしました。

7月3日 憲法学者も国会へ!

 

大勢の皆様がこのリレートークに耳を傾けてくださいました。

ありがとうございました。

 

さて、

この国会前「安保関連法案に反対する憲法学者リレートーク」で、長崎から駆けつけた渡邊弘・活水女子大学准教授は、次のようなお話をされました。

 

長崎から来ました、活水女子大学の渡邊弘です。

今日は、安保法制と長崎に関わる三つのことをおはなしさせていただきたいと思います。

第一に、与党は今国会の会期について、長期にわたる延長を行いました。

この延長された期間に、8月6日、8月9日、8月15日がやってきます。

ちょうど、法案の審議が佳境に入っているときではないかと思います。

毎年、8月9日に行われる長崎平和祈念式典において、長崎市長は平和宣言を読み上げます。長崎の平和宣言は、市長が選定する20名以内の起草委員会が起草し、最終的に市長が決定して読み上げることになります。

昨年の起草委員会では、平和宣言の中で、集団的自衛権の行使容認に反対する言葉を入れるかどうかで大変大きな議論がおこりました。最終的に長崎市長は、集団的自衛権に触れる形で平和宣言を取りまとめ、それを読み上げました。

ところが、長崎市長は、昨年の起草委員会で集団的自衛権の行使容認に反対する言葉を盛り込むことを強く主張した2名の委員を、今年の起草委員会委員に任命しませんでした。

先ほど申し上げたように、起草委員会は20名以下の委員を持って構成されます。今年の委員は15名しか任命されていません。人数の点からいえば、先に述べた2名の委員を外す必要はないではありませんか。にもかかわらず、長崎市長は、集団的自衛権の行使容認に反対する言葉を入れるよう主張した委員を、今年の起草委員会には入れなかったのです。

この問題は、一部の新聞・テレビが報道していますが、私の知るところ、その多くは、例えばテレビでは長崎のローカルニュース、新聞では長崎県版、よくても九州版の範囲でしか報道されていません。全国の皆さんには、この事態がほとんど伝わっていないのです。

最初に申し上げたように、安保法制の審議が佳境に入っているまさにその時に、今年の8月9日はやってくることが予想されます。その8月9日の長崎平和宣言で、安保法制について触れないということになれば、長崎市は世界に対して大変恥ずかしい行動をとったことになります。なんとしても、長崎市民の力で、そして、今日、ここにお集まりの皆さんの力で、世界に対して恥ずかしくない長崎平和宣言を作らせたいと考えます。どうか皆さんのお力添えをいただきたいと思います。

 

第二に、長崎県議会の動きについておはなしさせていただきたいと思います。

長崎県議会の自民党会派は、来週7月7日に行われる議会運営委員会で「平和法制の今国会での可決を求める意見書」を提案しようとしています。県議会の勢力分布から見れば、このままでは、7月9日にも、この意見書は長崎県議会本会議で可決されてしまいます。

万一、これが可決されるようなことになれば、おそらく、都道府県議会レベルでは、長崎県議会が最も早く、この安保法制に対して賛成する議会ということになってしまいます。

これが被爆地長崎の県議会のすることでしょうか。本来、長崎県議会がやるべき事は、47都道府県議会の先頭に立って、平和を求める被爆地として、安保法制の廃案を求める意見書をこそ可決するということではないでしょうか。

8月9日は突然やってきたのではありません。治安維持法や国民総動員法など、戦争をするために必要となる様々な法律や制度を作り上げたその先に、1945年8月9日11時2分はやってきたのです。

既に、国民保護法という名の国民動員法がつくられ、特定秘密保護法という表現の自由も知る権利も踏みにじる法律が作られ、そしてさらに、安保法制が作られようとしています。わたしたち長崎に暮らす者は、この先に、1945年8月9日をも越える悲惨な事態が起こるのではないかと危惧しています。是非その様なことだけは避けなくてはなりません。

 

第三に、いま、申し上げた国民保護法と長崎との関係についても述べたいと思います。

先ほど申し上げたように、国民保護法という法律は「保護」とは名ばかりの国民動員法です。国民保護法の下に位置する国民保護法施行規則では、戦争になった場合に、自衛隊員だけではなく、様々な種類の民間人に戦争参加を要請することが明記されています。とりわけ、医療関係者については具体的に職種を挙げて定められています。

この、国民保護法に基づく国主催の最初の実動訓練は、長崎空港で行われました。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、長崎空港は海上空港です。対岸の陸地とは、橋一本でつながっているだけです。橋を押さえられれば長崎空港は孤立します。実動訓練は、この橋が、外国のテロ勢力に爆破された、という想定の下で行われました。

この実動訓練には、私の勤務する活水女子大学の看護学科と管理栄養士養成課程で学んでいる学生が、授業の一環ということで動員されました。授業の一環ですから、参加しないと成績に影響します。場合によっては単位が出なくて、看護師や管理栄養士になることをあきらめなければなりません。

活水女子大学はプロテスタント主義のキリスト教学校です。キリスト者の皆さんに問いたい。このような学校のあり方は、神の教えに反しないのでしょうか。

この間、日本の大学は、自衛隊や米軍などの共同軍事研究を求められるようになってきつつあります。もちろん、研究面での軍学共同に対しても、わたしたちは反対です。それと同時に、教育面での軍学一体も、わたしたちは断じて許すことはできません。

第二次世界大戦が終わったのち、多くの教育者が、その信条の違いを超えて共に誓ったのは、「教え子を戦場に送るな」ということではなかったでしょうか。授業の成績や単位をエサに自衛隊との共同訓練へ学生を動員する活水女子大学は、この誓いを忘れたのでしょうか。

このときの訓練に参加した学生は、すでに、この3月に卒業して、看護師や管理栄養士として活躍しています。いま審議されている安保法制が万一可決されるようなことがあれば、訓練に参加した経験のある私の教え子は、真っ先に、戦争参加を求められることは目に見えているではありませんか。

 

みなさん、今日は国会前でアピールさせていただいていますが、安保法制は、国会前だけに関係する事柄ではありません。いまもうしあげたように、わたしたちのすぐそばに、わたしたちの住んでいる地域に深く関係する問題です。

どうかこの点をよくご理解いただき、国会前から、そして日本全国それぞれの地域から、安保法制に反対の声を上げていこうではありませんか。

ありがとうございました。

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渡邊弘・活水女子大学准教授の国会前リレートークでのお話」への2件のフィードバック

  1. こんなことが起こっているとは知りませんでした!学生を選択の余地なく軍事訓練に巻き込むことは許されることではありません。何とか国が向かっている方向を変えることができるよう、声をあげて行きましょう。

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