小松浩・立命館大学教授「国民無視生む選挙制度」と7・18京都「円山大集会」スピーチ

小松浩・立命館大学法学部教授については、すでに、戦争法案である「安保関連法案」問題についての学部内教員向け学習会レジュメを紹介しました。

小松浩・立命館大学法学部教授の教員向け学習会レジュメ

以下では、小松教授の安保関連法案問題のインタビュー記事と、7月18日に開催された京都の円山大集会でのスピーチを紹介いたします。

まず、小松教授の安保関連法案問題のインタビュー記事「国民無視生む選挙制度」です。

国民無視生む選挙制度

小松浩・立命館大学法学部教授

これまでの政府見解(1972年)は、専守防衛が原則で、日本に対する武力攻撃が生じた時のみ武力行使する個別的自衛権は許されても、日本が攻撃されていない場合に武力行使する集団的自衛権や海外派兵は違憲だというものでした。安倍政権はこのギリギリのラインを超えてきた。9条があるからどう考えても集団的自衛権は行使ができないとされていたのに、今回の法案が通れば他国の憲法と同じになって9条の規範力はほとんどなくなってしまいます。歯止めがなくなるのです。
集団的自衛権行使の可否が問題となっていない「砂川判決」を引用して集団的自衛権を正当化しようとする。このような強引な解釈は、立憲主義の破壊です。「安保関連法案に反対する憲法学者」の声明に235人の憲法学者が呼びかけ人・賛同人になっており、憲法研究者の圧倒的多数が安保法制に反対しています。多くの憲法学者が違憲だと言っているのにもかかわらず、自民党副総裁の高村正彦氏は「自衛のための必要な措置を考える責務があるのは憲法学者でなく政治家だ」と言い、憲法学者や学問研究を蔑ろにしています。
一連の安倍政権の暴走の背景には小選挙区制度導入の弊害があると思います。保守二大政党制が出来ていく中で、憲法守れの声が届かなくなってきた。安倍政権の個々の政策に対しては多数の国民が反対しているにもかかわらず安倍政権が続いていく。これは選挙制度のマジックです。国民と議会があまりにも乖離している。国民がデモをするのは、議会制民主主義に期待しててもダメだ、直接声を上げるしかないという考えの現れだと思います。民主主義の問題としても、考えていかなければならないです。

こまつ・ひろし 1960年生まれ。専門は憲法学、選挙制度。著書に『イギリスの選挙制度』(単著)、『憲法「改正」の論点』(共著)など。

「京都民報」(第2694号、2015年7月5日付)第8面掲載

 

次に、「戦争立法NO!京都アクション」主催で京都市東山区の円山公園音楽堂で開催された大集会についての報道(一部)と、その大集会での小松教授のスピーチです。

報道は京都民報です(「略」は共同ブログ事務局による)。

http://www.kyoto-minpo.net/archives/2015/07/18/post-19586.php

 

最後に、小松教授の大集会でのスピーチです。

7・18円山大集会スピーチ

 小松浩・立命館大学法学部教授

本日はご苦労様です。まずもって本日お集まりの皆さんに心より敬意を表したいと思います。本当は、私は、あがり症で、こういう場で発言するのは苦手なのですが、今日は、憲法研究者の社会的責任を果たすため、やってまいりました。立命館大学法学部で憲法を教えている小松浩と申します。どうぞよろしくお願いします。

安保関連法案が、衆議院で強行採決された今、日本国憲法の平和主義、立憲主義、そして、民主主義は、本当に戦後最大の危機を迎えています。私たち憲法研究者は、今、何をやらなければいけないのか、研究も教育もちろん大切ですが、この流れ、安倍政権のやりたい放題をみなさんと一緒になって止めること、これが今、私たち憲法研究者の最大の責務だと思っています。

安倍政権が成立させようとしている安保関連法案は、これまでの政府解釈である、攻められたら守るという専守防衛、個別的自衛権を飛び越え、攻められてもいないのに、アメリカが戦争しているだけなのに、日本の存立の危機だと言い立て、集団的自衛権、武力行使をするというものです。すなわち、日本を守ることとは全く無関係なのです。アメリカと同盟関係を強め抑止力を強化するのだといういい方もされますが、こうして軍事力を強化していけば、相手方も強化していく、お互いの不信感がますます増大していき、際限のない軍拡競争になります。

AKB48の歌に、「僕たちは戦わない」という新曲があります。最近はじめて聞いたのですが、AKBも安保法制に反対なのだなと思いました。その一節に、「憎しみは連鎖する」というフレーズがあります。暴力では何も解決しない、むしろやられたらやり返す、憎しみが増すだけだということです。AKBは選抜総選挙などをやって新自由主義者なのかなと思っていましたが、彼女たちのこの歌には同感です。新たな反戦歌の登場なのかもしれません。

安倍政権がやろうとしていることは、日本国憲法の平和主義を破壊するものですが、それを内閣の解釈の変更でやろうとする。これは憲法というのは権力、政府を縛って、私たちの権利・自由を守るという立憲主義に反するやり方です。縛られる政府自らがその縛りをゆるくして、やりやすくする、これは立憲主義という考え方からして許されないことです。

だから、圧倒的多数の憲法学者が反対しています。合憲だというまともな憲法学者を探すことはとても困難です。圧倒的多数の世論も反対しています。にもかかわらず、安倍政権は、今週、衆院で強行採決しました。安倍政権がやっていることは、平和主義に反する、立憲主義に反する、さらに、民主的な手続を無視する、民主主義、国民主権原理にも反することです。

60年安保の再来、安倍晋三のお爺ちゃんの再来のようです。おじいちゃんは退陣に追い込まれました。私たちの力で、安保法制の成立を阻止するとともに、憲法を二重にも三重にも蹂躙する安倍政権にNOを突きつけようじゃありませんか。立命館大学法学部・法科大学院でも有志で安保法制に対し反対声明をあげました。立命館大学有志でも上げています。安保法制阻止のため全力を尽くしたいと思います。ともにがんばりましょう。

 

なお、スピーチで紹介されている立命館大学法学部・法科大学院の教員有志による安保法制に反対する声明は、すでにご紹介しました。

「安保関連法案に対する専門家の違憲論を尊重し、法案の撤回を求める立命館大学法学部・法務研究科教員有志の意見」

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中