雑誌『世界』8月号の石川健治・東京大学教授インタビュー記事の紹介

石川健治・東京大学教授インタビュー記事が、岩波書店の雑誌『世界』8月号に掲載されていま。

それを簡単にご紹介します。

 

「集団的自衛権というホトトギスの卵:『非立憲』政権によるクーデターが起きた」『世界』2015年8月号(岩波書店)58-69頁

 

このタイトルを目にして「なぜホトトギス?」と疑問を持たれる方も多いでしょう。

安保関連法案の審議が進められている現状について、石川教授は「ホトトギスの卵」のたとえ話から議論をはじめます。

ホトトギスはウグイスの巣に卵を産み付ける。
ウグイスの母親は、それがホトトギスの卵であるからといって差別せずに、自分の卵と一緒に温める。
ウグイスよりもホトトギスの卵の方がふ化にかかる時間は短い。

なので、ホトトギスの卵が先にヒナになり、そのヒナが巣を独占する。
やがてヒナは、ウグイスの卵を巣から押し出して、地面に落としてしまう。

昨年7月1日の閣議決定によって政府は、集団的自衛権(ホトトギスの卵)を個別的自衛権(ウグイスの巣)に産み付けた。

内閣法制局や公明党が「これはウグイスの卵です」と言い繕ってみても、実際の国会審議では地球の果てまで自衛隊が行ける話になっていて、着実にホトトギスの子として育っているのが現状であると。

このような無茶が通ってしまう政治状況について、石川教授は、佐々木惣一教授(京都帝大)の「非立憲」に対する警告を引き合いに出し、現政権の「ナチュラルに非立憲的な振る舞いをしてしまう傾向」を指摘します。

立憲的な統治システムには、本来、権力の外側からブレーキをかけるコントロール(審査・統制・監督)が組み込まれている。

内閣に対しては、内閣法制局・国会・地方政府・メディアなどのコントロールがあるが、これらに対して安倍政権は「お友達」を送り込んだり、圧力をかけたりすることで潰して回っている。

自らに課されたコントロールを潰すこのような姿勢は、まさに「非立憲」であると言わざるを得ない、と石川教授は警告します。

その上で、昨年7月1日になされた「非立憲」政権による閣議決定という出来事は、法学的には「クーデター」であったと断定されます。
つまり、国民や大本の規範が変わらないまま、政府によって法秩序の連続性の破壊が閣議決定という形で起こってしまった。

しかも、このクーデターを追認する安保関連法案が、理屈では完全に敗北しているがゆえに、数の力で押し切る専制主義によって通されようとしている。

以上の現状を踏まえると、日本が立憲主義の国に留まることができるのか、それとも専制主義の国になってしまうのか。

この選択が迫られているこの夏、専制主義によって「理」が押し切られないようにするためにどうすればよいのか。
ぜひこのブログを見てくださっている皆さんと、出前講師団の勉強会などを通じて一緒に考えていければと思います。

 

岩波書店『世界』HP 8月号

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中