法学セミナー9月号「安保関連法案の国会審議と広がる反対の動き」

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法学セミナーの2015年9月号(通巻728号)に掲載されたLAW JOURNAL「安保関連法案の国会審議と広がる反対の動き」(4-5頁)において、この憲法研究者共同ブログや全国出前講師団の活動も含む憲法研究者の取り組みが紹介されました。

法学セミナー編集部のご厚意で、以下に同記事の内容を転載させていただきます(写真は、法学セミナーに掲載されていないものも含まれています。※は本ブログ編集者による補足です)。

 

 

いわゆる「安全保障」関連法案の国会審議は、7月15日に衆院特別委員会で強行採決が行われ、翌16日に衆院本会議を法案が通過した。その後、7月27日に参議院で審議入りし、現在審議が続いている。小誌先月号(727号)では、6月24日に行われた立憲デモクラシーの会の安保関連法に対する反対声明発表会見をレポートしたが、その後7月に入り、憲法学をはじめとする法学界では、安保関連法に関する意見表明の動きが続いた。

1 安保関連法案に反対する憲法研究者リレートーク

リレートーク2015年7月4日、国会前で、法案に反対する憲法研究者によるリレートークが行われた。石埼学氏(龍谷大学教授)、永山茂樹氏(東海大学教授)、西原博史氏(早稲田大学教授)の3人が呼びかけ人となり、計15名が3時間にわたりトークリレーした。

※7/4リレートークについては、本ブログでも紹介しています。

<コメント抜粋>
稲先生稲 正樹氏(国際基督教大学教授):昨年7/1閣議決定は、権力を担当している者が憲法の拘束の範囲内でしか行動できないとする立憲主義に反する暴挙。

 

中川先生

中川 律氏(埼玉大准教授):日本には平和憲法の物語があり、それをどう作っていくかが問われている。

志田先生志田陽子(武蔵野美術大学教授):自衛については議論があるにしても、派遣追求のための軍事行動は絶対に禁止するのが憲法が拠って立つ基盤である。

三輪先生三輪 隆氏(埼玉大学名誉教授):憲法9条や民主主義が守られてきたのは、自民党が守ってきたからではなく、私たち民衆の運動があったからである。
大津先生

大津 浩氏(成城大学教授):集団的自衛権はだめだが個別的自衛権だけは合憲になるという理屈を言っておきながら、まったく説明せずに平気でそれを変えてしまうことに私たち憲法学者は我慢がならない。

渡邊弘先生

渡邊 弘氏(活水女子大学准教授):教育の場面でも、戦争に参加するということが起きる。「教え子を戦場へ送るな」がまさに投げ捨てられようとしている。

 

清水先生
清水雅彦氏(日本体育大学教授):憲法9条のどこをどう解釈しても集団的自衛権行使は認められない。そしてなにより憲法改正なしに行うやり方も問題。

 
藤野先生藤野美都子氏(福島県立医科大教授):憲法の非武装平和主義の理念をどう具体的に実現するかに力を尽くすべきであり、現在の国会論議は不毛である。

 

 
石川先生石川裕一郎氏(聖学院大学教授):日本の戦後教育は間違っていなかった。きちんとした人間を育ててきたことこそが本当の意味での安全保障である。

 

 

齊藤先生
齊藤小百合氏(恵泉女学園大学教授):立憲主義の破壊がいま起こりつつある。憲法を壊すことは、国を壊すことである。

 

渡辺洋先生
渡辺 洋氏(神戸学院大学教授):現在、わたしたちは、政治に関するルールが守られ、権力が濫用されない国であり続けられるかどうかの瀬戸際にいる。

 

長嶺先生
長峯信彦氏(愛知大学教授):憲法9条の徹底した平和主義の原理は、未来を示す、日本国民だけでなく、全世界の人類にとっての進むべき道である。

 

 
石埼先生石埼 学氏(龍谷大学教授):安保関連法案が通れば、これまでかろうじて合憲としてきた政府の説明との整合性が問われ、自衛隊の合憲性の根拠が崩れる。

 

 
藤井先生藤井正希氏(群馬大学准教授):武器をもたず、平和外交を尽くし、世界から敬意を集め、攻められない国をつくる、その平和主義で充分国を守れる。

 

 
建石先生建石真公子氏(法政大学教授):国際法上、例外中の例外である集団的自衛権を、世界で最も多く行使してきた米国と行使するのは非常に危険である。

 

※各スピーチの全文はコチラ→ SYNODOS「なぜ私たちは安保法制に反対なのか 憲法学者16人によるリレートーク」

2 憲法研究者〈全国出前講師団〉結成
「憲法研究者共同ブログ」の立ち上げ

安保関連法の衆議院での国会審議が大詰めを迎えようとするなか、法案の内容とその問題点をより多くの人々に伝えるために、憲法研究者有志が〈全国出前講師団〉を結成し、7月11日(土)、東京・神保町の専修大学の一室で結成の趣旨を説明する記者会見が行われた。また、安保関連法に関して憲法研究者の観点から情報提供するための共同ブログの立ち上げについて説明した。

会見

[STOP!意見の「安保法制」憲法研究者共同ブログ]https://antianpo.wordpress.com
全国出前講師団についても同ブログで情報提供されている。

 

会見本先生呼びかけ人の一人である本秀紀氏(名古屋大学教授)は、「私たち出前講師団は、いつでもどこでも、どんな人数の集まりでも参ります。今からすぐに場所を確保して集まりを企画することは簡単なことではないかもしれません。でも、喫茶店でも、ご自宅でも、話し合いができる場所なら、どこでも勉強会はできます。『そんなこと言われても、どうしていいのか分からない』という場合も、まずはお気軽にご相談下さい。ご要望に応じて、『安保法制』と憲法を学ぶ会をアレンジします。連絡をお待ちしています。」と呼びかけ、「いま、立憲主義の問題だけではなく、民主主義についても大きく問われていると思います。選挙でもって選ばれた多数派が、一定の時間の審議を経たら、数の力で決めていくということも、ある種の民主主義であるかもしれません。しかし、それがほんとうに民主主義といえるのかということが問われているのだと思います。私が考える憲法の民主主義というのは、国民一人ひとりが現在の国政の問題状況を理解し、場合によっては声を出して、それが世論となって国政に反映されるというものであり、そういうことがあって本当の民主主義といえるのだろうと思います。国民一人ひとりが、主権者として、ほんとうにこのような状況でよいのかということを考え、判断するに値する材料を提供するということを考えまして、共同サイトと講師団を立ち上げることにしました。」と述べた。
会見西原先生また、同じく呼びかけ人の一人の西原博史氏(早稲田大学教授)は、「今回ひとつの特徴としては、非常に幅広い憲法研究者たちが賛同して駆けつけていることがあると考えています。憲法研究者は、それぞれ憲法9条の解釈については一家言をもっておりまして、憲法違反のものと憲法違反でないものを仕切るラインは精確に突き詰めて1件1件考えていったら、一人ひとり全部ちがうかもしれません。にもかかわらず、今の国会で審議されている安保法制は、あまりにも立憲主義、国民主権、平和主義などの様々な憲法原理を根底から覆しているものであって到底容認できないという強い意志において、その1点だけにおいて、我々は結びついている。」と述べた。
7月21日日現在で全国の研究者64人が講師団に名を連ねている。全国の地域ごとに連絡窓口をおき、講師料は相談に応じる。

3 全国憲法研究会・緊急公開シンポジウム
  「憲法から『安保法制』を考える」

シンポ同日7月11日(土)、専修大学で、憲法研究者の学会の一つである全国憲法研究会主催の緊急公開シンポジウム「憲法から『安保法制』を考える」が行われ、学生などおよそ250人の参加者を集めた。

 
浦田先生浦田一郎氏(明治大学教授)が「集団的自衛権とは何か——また砂川判青井先生決?」、青井未帆氏(学習院大学教授)が「安保法制——何が問題か」と題して講演を行い、その後、本秀紀氏(名古屋大学教授)が加わり、3人の憲法学者によるパネルディスカッションが行われた。

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