「新安保法制の撤回を求める信州大学人の会」第20回シンポジウムにおける共謀罪についてのアピール

2017年年2月14日、新安保法制の撤回を求める信州大学人の会第20回シンポジウムがおこなわれました。

三枝有法曹法務研究科教授(刑法)が報告をおこない、質疑応答の後、以下のアピールが発表されました。

 わたしたちは、今国会にも提案されると報道されている「共謀罪」について、深刻な懸念を抱かざるを得ない。

「共謀罪」は自由な言論の問題であるとともに市民社会の基礎となる人々の自由な結社、つまり人びとの新たな、自由な結びつきをも治安維持の名目で規制するものである。

安倍内閣総理大臣は、「一般の方々が対象になることは全くない」といったと伝えられる。 しかし、「一般の方々」とは誰なのか。戦争がはじまりそうな時に、それに反対しようとする批判的市民は、「一般の方々」に入るのだろうか。

百歩譲って、安倍総理自身はそのように考えているとしよう。しかし、現政権がそう考えているからといって、後の政権が同じように考えるとは限らない。安倍政権は、60年間維持されてきた憲法解釈を一方的に変更し、日本を戦争ができる国にした。その政権が、「共謀罪が一般の方々を対象にしない」と言ったところで、どれだけ説得力があるのだろうか。

戦前日本が無謀な戦争に突入していった過程には、戦争に関する正確な情報が国民に全く伝えられなかったこと(典型的には軍機保護法)、および、それに反対する人々の批判を徹底的に弾圧したこと(典型的には治安維持法)があった。日本は、すでに秘密保護法と新安保法制をもっている。共謀罪があれば、戦争に反対しようとする市民を効果的に弾圧できる。制定される段階の立法府の意図がどうであれ、共謀罪は、戦争に反対しようとする市民に適用されると考えるべきであろう。

沖縄の現状は、共謀罪が導入された後、どのようなことが起きるかを教えてくれる。現在、沖縄では、基地建設に反対する社会運動活動家(沖縄平和運動センターの山城博治議長)に対する勾留が4か月にも及ぶ。重大犯罪でないにも拘わらず、4か月近くも保釈が認められないのは、運動に対する不当な弾圧であるとしか考えられない。しかし、この問題に対する日本社会における関心は低い。共謀罪は、社会からの異議申し立てを規制するのみならず、その基礎となる人びとの連帯を、「テロ集団(容疑)」者として分断する機能を確実に発揮するだろう。

以上の理由から、わたしたちは、共謀罪を認める法律案を国会に提出しないよう内閣に強く求める。

2017年2月14日 新安保法制の撤回を求める信州大学人の会

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