「安全保障法案の廃案を求める名城大学教職員有志の声明」の紹介

「安全保障法案の廃案を求める名城大学教職員有志の声明」(2015年8月24日)を紹介します。

賛同者は(呼びかけ人も含めて)55名(+1団体)です(9月4日現在)。

賛同者等の最新情報はでコチラご確認ください。→ http://anpohantai-meijo-yushi.blogspot.jp/

 

安全保障関連法案の廃案を求める名城大学大学教職員有志の声明

「二度と教え子たちを戦場に送らない」――戦後、教育にたずさわる多くの人々が、この誓いを悲痛な思いで掲げました。戦後70年を経た今日、私たちはあらためてこの誓いを確認するとともに、安全保障関連法案を廃案にすることを求めます。

(1) 日 本国憲法は、我が国の基本姿勢、国のあり方の根本を示したものです。国家権力は憲法によって枠づけられます。その憲法の解釈が、一内閣の閣議決定で変えられてしまいました。そして今、これまでの内閣法制局長官や憲法学者のほとんどが憲法違反と批判する安全保障関連法案が、制定されようとしています。この現 状は、人権を尊重する社会のあり方とは全く相容れないものです。こうした法案が日本国憲法の精神をないがしろにして制定されるならば、私たちは、戦後に築 き上げられてきた民主主義の大切な枠組みを、根底から崩すことになります。

(2) 安全保障関連法案が制定されれば、我が国が若者を戦場に送りだす可能性は極めて高くなります。「二度と教え子たちを戦場に送らない」――この決意を、私たちは空虚なスローガンにしたくありません。

戦場に行くということは、自らの命を危険にさらすとともに、他国の人々の暮らしや命を犠牲にするかも知れないということでもあります。犠牲者を生む暴力がさらなる暴力を呼び、報復がさらなる報復を呼ぶという悲しい歴史も、私たちは知っています。

日々、学生たちと向き合う者として、この若者たちを戦場に赴かせ、暴力や報復の連鎖をももたらす可能性の高い安全保障関連法案には、強く反対せざるをえません。

(3) 先の大戦では、実に多くの若者たちが学びの機会を奪われました。戦争が続く中、教育現場からは授業らしい授業が次々と消え、学徒動員により戦場に向かった学生もいれば、軍需工場への勤労動員で兵器製造に従事した学生や生徒も大勢いました。みな、可能性に満ちた青春の日々を戦争によって奪われ、多くの若者が命を奪われたのです。

名城大学の前身である名古屋高等理工科学校にも、こうした経験をした人たちがたくさんいました。同様の経験をした後に、本学の教職員になった者も少なくありません。

戦争を生きのびた学生・生徒たちの「学びたい」という強い思いは、戦後日本の教育と学問を発展させてきました。学びは平和の中でこそ完全に保障され、学問は平和の中でこそ健全に発展します。教育と学問を担う私たちは、今回の安全保障関連法案に賛成することはできません。

以上の理由により、私たちは心の底から安全保障関連法案を廃案にすることを求めます。

2015年8月24日

名城大学教職員有志

 

声明の呼びかけ人・賛同人(8月25日午前集約分)

呼びかけ人

新井大輔(経済学部教員)、李秀澈(経済学部教員)、井内尚樹(経済学部教員)、大脇肇(大学職員)、岸川富士夫(経済学部教員)、北見宏介(法学部教員)、渋井康弘(経済学部教員)、鳥居弘志(経営学部教員)、 長澤崇雄(理工学部教員)、蓑輪明子(経済学部教員)、村野宏達(農学部教員)、村松恵子(経営学部教員)、柳田純也(経営学部教員)

賛同人

礒井俊行(農学部教員)、折原卓美(経済学部教員)、岸野和郎(経済学部教員)、佐土井有里(経済学部教員)、庄村勇人(大学院法務研究科教員)、杉本大三(経済学部教員)、曽山和彦(教職センター教員)、谷江武士(経営学部教員)、橋場俊展(経営学部教員)、宮嶋秀光(人間学部教員)、名城大学教職員組合執行委員会、森川章(経営学部教員)、柳沢究(理工学部教員)、柳澤武(法学部教員)、山田浩貴(経済学部教員)、山本いづみ(経営学部教員)、渡辺俊三(経済学部教員)ほか4名

 

声明賛同人(8月25日午後〜9月4日)
犬飼斉(大学職員)、大場正春
(農学部教員)、加茂省三(人間学部教員)、小泉和也(経済学部教員)、鈴木茂敏(農学部教員)、鈴木茂廣(理工学部教員)、辰野恭市
(理工学部教員)、友田慈子(大学職員)、中村栄造(理工学部教員)、中村千尋(大学職員)、野尻吉邦(大学職員)、橋本啓史(農学部教員)、日野輝明(農学部教員)、平岩陸(理工学部教員)、宮崎信二(経営学部教員)、村田泰美(人間学部教員)、吉永美香(理工学部教員)ほか5名

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